木材からどうやって繊維を取出すか
植物から繊維を取出すことを、パルピングといいます。
和紙では、樹の皮の内側の靱皮(白皮)が使われます。
比較的に繊維を取出しやすい桑科の楮(こうぞ)、ジンチョウゲ科の雁皮(がんぴ)、三極(みつまた)の靱皮が使われました。
木の灰に水を加え、上澄み溶液が灰汁(あく)で、昔から、製紙原料の靱皮を煮て不要なものを溶かし去るのに使われました。
主成分は炭酸カリウム。
現在は炭酸ナトリウム(ソーダ灰)が使われています。
洋紙は、木材の繊維が使われます。
木材から繊維を取出すのは靱皮ほど簡単ではありません。
木材の主成分はセルロース、ヘミセルロースとリグニンで、他に少量の樹脂、油脂・灰分などが含まれています。
木材は細胞からなり、この細胞の大部分が繊維をなし、細胞膜はセルロースとヘミセルロースでできています。
リグニンは細胞膜の接着剤の役目をしています。
このリグニンを溶かし出して、木材から繊維を取出す薬品はいろいろと発明されましたが、現在最も多く使われているのは、薬品(蒸解液)に硫化ナトリウムと水酸化ナトリウムの混合物を使うクラフト法です。
この方法がドイツのダールによって発明されて、100年以上になります。
とてもすばらしい、すぐれた発明です。
これは木材の種類を問わず何でも煮ることができます。
また、繊維の傷め方が少ないので、強い紙を作ることができるのです。
また、木材を煮た廃液(蒸解廃液)は濃縮し、燃料として燃やすので、エネルギーの節減になります。
燃やした灰は水と混ぜ、石灰を加えて苛性化して、蒸解液として再利用するなど利点が多い方法です。