« 2010年07月 | メイン | 2010年09月 »

2010年08月 アーカイブ

サイジング 2

印刷・筆記用紙はサイジングしてあります。

これは紙をすくとき、叩解したパルプの懸濁液(原質とか調整原料とよんでいます〉にサイズ剤を加えているのです。

サイズ剤の代表がロジン。

ロジンは水に溶けないので、アルカリで溶かして加えます。

繊維にロジンを定着させないと滲み止め効果がでないので、硫酸アルミニウム(略してバンドとよんでいます)を加えます。

これによって繊維の表面にロジンの疎水性の被膜ができるので、滲みが防止されるというわけです。

この方法は、内部サイジングとよばれています。

1807年にドイツのイリッヒによって発明されました。

抄紙機の発明と同じころですね。

イリッヒの発明したロジンサイズはまたたくまにヨーロッパで広く使われていきました。

ここで使われる硫酸アルミニウムは、水に溶けて酸性を示します。

また、すき上げた紙も酸性を示すのです。

nijimi.jpg

てん料

ある紙を切るのに使ったカッターの刃が、すぐに切れなくなることがありました。

上質紙などには、紙の不透明度や、表面の平滑度を増し、紙を密にするために鉱物質の白色粉末を入れて作られています。

これが「てん料」で、上質紙では10%(乾燥パルプに対する重量パーセント)使われています。

紙を焼くと白い灰が残りますよね、これがてん料です。

新聞紙やティッシュペーパー、手さげ紙バッグ、ペーパータオルなどは燃やしてもほとんど灰が残らないのは、てん料を入れていないからなのです。

てん料として使われるのは、白土(クレー、粘土)、タルク(滑石)、炭酸カルシウム、二酸化チタンなど。

問題の紙をエックス線回折装置にかけて調べると、クレーのスペクトルの他に石英のピークが強く現われました。

これでは紙ヤスリをカッターで切っているようなもので、刃が鈍くなるのは当然のことでした。

その紙は、たまたま品質の悪いクレーを使って作ったものだったのです。

その後、丁度そのころから、タルクが多く使われるようになり、カッターの刃が摩耗することもなくなりました。

中性紙では、てん料に炭酸カルシウムが使われます。

酸性紙ではすくとき、炭酸カルシウムが泡立って、溶けてしまうので使えません。

炭酸カルシウムは不透明度が高く、てん料として有利なのですが、石灰石を粉砕して作った重質炭酸カルシウムは抄紙機のプラスチックワイヤーを摩耗しやすいのが難点です。

石灰乳に炭酸ガスを吹込んで作った軽質炭酸カルシウム(沈降炭酸カルシウム)は摩耗が少ないですが、少し価格が高いですね。

About

2010年08月にブログ「のみものだもの」に投稿されたすべてのエントリです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2010年07月です。

次のアーカイブは2010年09月です。

他にも多くのエントリがあります。メインページアーカイブページも見てください。

管理人のお気に入り