てん料

ある紙を切るのに使ったカッターの刃が、すぐに切れなくなることがありました。

上質紙などには、紙の不透明度や、表面の平滑度を増し、紙を密にするために鉱物質の白色粉末を入れて作られています。

これが「てん料」で、上質紙では10%(乾燥パルプに対する重量パーセント)使われています。

紙を焼くと白い灰が残りますよね、これがてん料です。

新聞紙やティッシュペーパー、手さげ紙バッグ、ペーパータオルなどは燃やしてもほとんど灰が残らないのは、てん料を入れていないからなのです。

てん料として使われるのは、白土(クレー、粘土)、タルク(滑石)、炭酸カルシウム、二酸化チタンなど。

問題の紙をエックス線回折装置にかけて調べると、クレーのスペクトルの他に石英のピークが強く現われました。

これでは紙ヤスリをカッターで切っているようなもので、刃が鈍くなるのは当然のことでした。

その紙は、たまたま品質の悪いクレーを使って作ったものだったのです。

その後、丁度そのころから、タルクが多く使われるようになり、カッターの刃が摩耗することもなくなりました。

中性紙では、てん料に炭酸カルシウムが使われます。

酸性紙ではすくとき、炭酸カルシウムが泡立って、溶けてしまうので使えません。

炭酸カルシウムは不透明度が高く、てん料として有利なのですが、石灰石を粉砕して作った重質炭酸カルシウムは抄紙機のプラスチックワイヤーを摩耗しやすいのが難点です。

石灰乳に炭酸ガスを吹込んで作った軽質炭酸カルシウム(沈降炭酸カルシウム)は摩耗が少ないですが、少し価格が高いですね。

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