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2010年09月 アーカイブ

色彩の尽きぬところ

昔「鈍色」といわれた色にも、完全な無彩色よりは緑味の感じられる灰色であったといいますし、ある氏は俗に「鉄色」といわれる色も鈍色のことだとされています。


青味のある鈍色が「青鈍」で、前田雨城氏は銀ねずの濃色のことだと書かれています。


これは一種の「鉛色」だといわれています。


藍染の青が灰色に寄ると、「錆納戸」といわれますが、もっと灰色に近づくと「納戸鼠」になります。


これらは百鼠の中では比較的よく使われてきた鼠色の色名でしょう。


明るい灰色のシルバーグレーなら、好む人はそれほど多くなくても、その色を嫌う人はさらに少なかったのですが、普通の灰色になると、好む人も嫌う人もほぼ同数になり、やや嫌われる傾向の色になります。


しかし、服装の色としてはやはり常用色で、夏にはやや少ないですが1年を通じて決して消えることはありません。

色彩の尽きぬところ 2

事務机やロッカーなどの灰色は、「オフィスグレー」とか「ビジネスグレー」と言われて、邪魔にならない色とされています。


特に好き嫌いが問題にされる色ではなくても、生活の中になくてはならない中和剤のような便利な色なのでしょう。


江戸時代の百鼠の名称はとてもここに挙げきれませんが、当時から日本人の生活には不可欠な色だったのです。


白があくまで白くなったように、黒もますます黒い色が作られるようになったので、おそらく昔なら当然黒といわれたような範囲の色も、今では暗い灰色、あるいは「オフブラック」として区別されてしまいます。


商社から賄賂を受けたという疑惑の濃い政治家は、「濃い灰色」とか、「限りなく黒に近い灰色」などと新聞や週刊誌に書かれていますが、容疑が立証されるまでは、決して黒ときめつけられることはありません。


黒と暗い灰色が色としてちゃんと区別されるようになったので、言葉遣いの方もそれだけ厳密に使い分けられるようになったようです。

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