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2011年02月 アーカイブ

色彩の尽きぬところ 10

黒はブラックでもよく、ノワール、ネロ、ネグロ、シュヴァルツなどとも呼ばれてもいいわけです。


黒という言葉が、暗いということを表す言葉であっても、連想としては、まったく不思議ではないのです。


ある氏は、アクセントの点で、クロとクル(陰・昏)、あるいはクラシ(暗)とは同一とはいえないので、むしろクリッチ(涅)、クロッチ(濾)という土の呼び方の方が、日本語の黒の言語ではないかと推定されています。


どちらも黒土の意味であって、他の染料、顔料よりも相対的に色が黒かったのでしょう。


実際、布地を泥の中に漬けてしまう原始的な染色法によって得られる色は、「涅色(くりいろ)」といわれ、暗い茶色味の灰色になります。


他の染色の色がもっと薄い色にしかならなかったとすれば、それが大昔の黒色であったわけです。


漢字の黒も、天然自然の闇という意味ではなく、たまたま人間が発見した黒い色を指しています。


黒という字の下部の点々は火をかたどり、上部は煙突に墨(すす)がついた様子を表しているということです。

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